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同人誌のこと、地方で活動するということ。

2020-02-06||鳥原 学

北海道の松井宏樹さんから個人誌『DOTO』の最終第7号を、岡山の山口聡一郎さんから新しい同人誌『陰と陽』をお送りいただく。終わるものもあれば、新しく始まるものもあって、こういうインディペンデントな活動はずっと続いてきたのだと思う。

道東の風景をモノクロで丁寧に撮られる『DOTO』は新鮮さがあり、私にとってかつの周はじめの仕事を思い起こさせたりもして、毎号楽しみにしていた。ただ、これまでの成果をもとに新しい展開に臨まれるとのことなので、期待してます。

山口さんの『陰と陽』は「山陰」と「山陽」の意味で、つまり中国地方の作家5人での立ち上げたものとこのこと。戦前の中国写真家集団みたいだと思っていたら、巻末に能勢伊勢雄さんによる連載「岡山写真史」、山口さんにより「山陰・山陽を写した写真集と写真家」という記事があった。これからどう展開されるのか楽しみになってきた。

インターネットで結ばれて、各地でブックフェアやフォトフェスティバルが開催されている現在だけれど、それでも東京以外での活動はなかなか評価される機会は少ない。写真にはローカルな現場が必要で、その小さな場所で発信されるものが、世界を測るひとつの尺度にもなり得る。そういうことは忘れないでいようと思う。