birdsincは、生活史研究家・作家の阿古真理と、写真評論家の鳥原学によるofficeです。
携帯電話やスマートフォンで、誰もが気軽に撮影し、公開しているポートレイト写真。その目的も用途もさまざまだが、気づけば、一人あたりの撮影枚数は膨大なものになっている。昔ながらの写真館の仕事から、ファッション写真の歩み、プリクラ・自撮り・コスプレまでを例に挙げポートレイトの歴史を振り返り、社会的な機能と人間が写真に託している願望を浮かぼ上がらせる。
6年9月に開催された、大邱フォトビエンナーレにキュレーターとして参加、メインテーマは「「私たちはどこから来たのか? どこへ行くのか?」に関わりました。
1960年代、森山大道さんについての評論をまとめた一冊。「「動機と行為の直結」を目指す写真家たち──森山と中平の苦悩をこそ起点に据えよ」として、二人の系譜に連なる写真家をたどっています。
ユネスコの無形文化遺産に和食が選ばれたのを機に、洋食・中華なども取り込んで発展した日本の食の通史を描く。学校現場の給食、家庭科の変遷も取り上げている。高校生から読める新書シリーズに入れた本書は、毎年さまざまな入学試験テキストに選ばれています。
好き嫌いがはっきり分かれるパクチーを入り口に、日本で流行って定着したアジア料理=アジア飯の歴史をたどる。戦争や革命が密接にかかわるアジア飯の流行には、アジアやヨーロッパの歴史も関わる。今は移民増加の現状も関係する。日本経済新聞に「アジアが持つ複雑な過去を、新しい視座から読み解く本」と書いていただきました。
子ども時代から現在に至る、私の食体験を描くエッセイ集。昭和育ちにとっての初めての体験、忘れられない母の田舎での体験、海外旅行で発見したこと、出張や旅行で知ったこと。恥ずかしい体験も心の栄養になってきた。東京新聞で酒井順子さんが書評してくださいました。
なぜ母は娘を抑圧するのか。その社会的背景を読み解く本。私自身の体験を踏まえ、「ていねいな暮らし」や、郊外のライ […]
1970年代半ば、消費社会が爛熟するなか『an・an』を筆頭にヴィジュアル雑誌が次々と創刊。新しい写真家たちが陸続と登場する。さらに『写楽』『写真時代』『FOCUS』の売り上げ拡大によって、写真は黄金時代を迎え、宮沢りえのヌード写真集は社会現象ともなった。他方で、90年代半ば以降のデジタル写真の普及は、150年に及ぶ写真史を一新する。本書は1975年以降の写真黄金期とデジタルの衝撃の歴史を描く。
1990年代から2000年代までに行われた森山大道さんの対談・インタビューを多数収録。そのうちホンマタカシさんとの対談「深夜、新宿ゴールデン街 きわめてよいたいだん――写真と映画のリアル ホンマタカシ/森山大道」を構成しています。初出は「美術手帖」。
1964~1969年に生まれ、男女雇用機会均等法第一世代として社会に出た女性40人弱に取材をし、彼女たちが職場や家庭で受けてきた女性差別の問題の背景を探った本。重松清さんが朝日新聞書評に取り上げてくださいました。
本邦初の料理研究家史。表題に挙げた二人のほか、江上トミ、飯田深雪、辰巳浜子、土井勝、有元葉子、ケンタロウ、コウケンテツなど、多士済々の料理研究家の歩みと同時に、女性史も描く。家庭料理の担い手の変化が、提案する料理に影響を及ぼすからである。ヒット作。
戦後の写真史に語られる100の名作に迫るシリーズの上巻。写真家たちがいかにテーマをつかみそれを育てたのか、社会の変遷とともに明瞭に描き出す。上巻では1958年から1984年まで、高度経済成長期を中心に、写真表現の転換をもたらした写真家50名のストーリーを収録する。巻末には、数々のベストセラー写真集を手掛けた編集者の島本脩二との対談を収録。