むかしの写真家について調べていて、あらためてその人の言葉に出会うとハッとすることがある。リアリティを感じる瞬間というか。以下、アウグスト・ザンダーの文もそのひとつ。1927年11月、ザンダーはケルン美術協会で開催した個展『20世紀の人々――写真による文化的業績』のために以下のように書いた。

「私は、この仕事を思いついた経緯について、よく質問される。
見ること、観察すること、そして考えること。それが答えである。

写真によって、私たちの時代を自然に即した、まったく真実な姿で描き出すこと以上に、私にふさわしいと思えることはなかった。過去のあらゆる時代は、文書や挿絵入りの書物を私たちに残してきた。しかし写真は、絵画とは異なる新たな可能性と問題をもたらした。写真は、驚くほど美しく物事を再現することも、残酷なまでに正確に再現することもできる。だが、途途省なく人を欺くこともできるのである。

真実を見るためには、私たちはそれに耐えられなければならない。そして何よりも、それが自分にとって都合のよいものであろうとなかろうと、同時代の人々と後世に伝えなければならない。

もし私が、ごく普通の人間でありながら、物事をあるべき姿や、そうなりうる姿ではなく、ありのままに見るという、身の程知らずなことをしているのなら、どうか許してほしい。しかし、私にはそうするほかないのだ。

私は写真家として30年を過ごし、真剣に写真に打ち込んできた。良い道も悪い道も歩み、自分の過ちも認めてきた。ケルン美術協会での展覧会は、私が探求してきたことの成果である。自分が正しい道を歩んでいることを願っている。

私が何よりも嫌うのは、技巧やポーズ、効果に頼った、甘ったるい写真である。

だから、どうか私に正直であることを許してほしい。そして、私たちの時代と、そこに生きる人々について、真実を語らせてほしい。

1927年11月
アウグスト・ザンダー」