今年のヴェネチアビエンナーレが揉めにも揉めているとのこと。
火種のひとつはロシア館。2022年のウクライナ侵攻以来、閉鎖されていたロシア館が再開されたことを受け5名の審査員団全員が辞任している。当初審査側は「人道に対する罪で国際刑事裁判所(ICC)から指訴されている指導者がいる国のパビリオンは、賞の選考対象から外すべきだ」という基準を打ち出したが、イタリア政府やビエンナーレ事務局側から「強烈な政治的圧力」があったとのこと。これは事実上のロシアとイスラエルへのボイコットにあたる。それに対して、イタリア政府やビエンナーレ事務局側から「強烈な政治的圧力」があったもよう。結局、審査員不在のため、公式な賞(金獅子賞など)は観客による投票となったようです。
その背景にはイスラエル代表の美術家が審査員側の「人種差別」と「反ユダヤ主義」を主張し、欧州人権裁判所に訴えると脅かしたとか。一方で活動家や労働組合はイスラエル館の外で抗議活動を行い、バルト三国のパビリオンが、ヴェネツィア・ビエンナーレ期間中に親ウクライナ支援のためのデモ行進を実施。
これ以前、アメリカ代表の選定にあたっては、トランプ政権の以降でキュレータが選ばれており、適格さが問題になっている。「アメリカン・エクセプショナリズム(アメリカ例外主義)」や「アメリカの価値観の促進」を前面に打ち出したため、候補にあがった美術家の辞退が続出:、ウィリアム・エグルストンもトランプ政権との関連を嫌って招待を辞退したと報じられいる。
近年の現代美術には、社会的意見の表明という側面がかなり強まっていることもあり、国際展は荒れ模様になる傾向があるように見える。地政学の最前線となっていると言うのかな。美術の役割とはなんぞや、みたいな問い直しもあって、それはそれで興味深いことではあります。
ちなみに、ヴェネチアでの日本館の評判は良いようです。