この写真はアンセル・アダムスの名作「ヘルナンデスの月の出」(1941年)をAIで色付けしたもので、AI生成カラー版。これはニューヨークのダンジガーギャラリーが制作し、アートフェアで販売したもので、当然、波紋を広げている。
アンセル・アダムス財団は、今回の問題がAIや抽象的表現そのものへの懸念ではなく、「アーティストの権利と道徳的権利、そして人間の尊厳への敬意に関わる問題」であるとし、同意なき商業的無断利用における倫理的・専門的判断の欠如を強く批判している。
ただし、ギャラリー側は元のイメージ自体はすでに著作権の保護期間が切れていて「パブリックドメイン」になっているため、法的な問題はないとする。
「この画像はパブリックドメインにあるため、私は新しい、そして革新的な作品を制作する権利を十分に持っていました」とダンジガーは書きたこう続けている。
「私がこの作品を制作しようと思ったのは、この象徴的な画像への愛着、AIを創造性のためのツールとしてどのように活用できるかという興味、そしてアダムスがアメリカ国道84号線を運転中に実際に目にした光景を想像して作品を制作したかったからです」
自動色付は、日本の新聞の特集でも行われている。それは遠かった過去を手元に引き寄せる効果がある。一方で、撮影者の意図や工夫についてのリアリティは遠ざかる。なんというのかその写真に含まれている、より広範な時代性を見ている、という意識を薄めるようにも思えたりする。分かりやすく現在という地平に、過去が回収されてしまうというか。
インターネットは地理的な距離を「フラット化」したと言われるが、なのだろな。
以下は元の写真。
