先月27日、風景写真家の竹内敏信さんが亡くなられました。
ご冥福をお祈りいたします。
私は竹内さんの仕事を、1990年代からやや遠くから見てきたように思います。
とくに当時の人気はすさまじく、雑誌連載や写真集の為の撮影、アマチュア写真家指導などで全国を飛び回っておられた。あの頃の風景写真ブームをけん引したのは、まさに竹内さんでした。
また、あまり語られていないようですが、四谷の現代写真研究所ではドキュメンタリー写真を教えておられた。カラーポジの艶やかな風景写真とモノクロの社会的リアリズムという、違った位相の表現が、竹内さんのなかでは地続きにある。その理由が分かったのは、竹内さんの歩みを調べてからのことでしたが。
竹内さんは日本写真芸術専門学校の校長職も引き受けておられた。同校では長く勤務し、その卒業生をアシスタントから写真家へと導かれた。私も同校の講師を務めていますが、真似のできないことだと思っています。