ふげん社さんから、ものすごく分厚い写真集が届いた。何かと思えば、文字通りビルの一角を淡々と撮影したもので、その陰影と背景の空が微妙な表情を作っている。定点観測ということになるんだろう。書名は『CHRONICLE』となっている。

さて、写真集は一色刷りなので立体感はさほどなく、均一にも見える。果たして元のプリントはどうだったのか、本書を見ていて気になったので展示に行ってみた。35㎜のモノクロフィルムで撮影されたオリジナルに近づくと、それぞれにはより微妙なニュアンスの違いが見えてきて、けっこうライブ感がある。

作者の高松求己さんはラボに勤務していた方らしい。コンセプチュアルな作品で知られる普後均さんの作品が好きで、そのワークショップに参加し、このシリーズを始められた。撮影後7年を経て、このように完結させたのだと言っておられた。

表紙