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コロナ禍のソウルの印象 その2

2020-03-20||鳥原 学

あたりまえだが、3泊4日で訪れたソウルの街は、どこに行っても閑散としていた。その模様を記録してみた。まず、中心地の景福宮もガラガラ、景福宮もガラガラ、生意気が過ぎる息子にキックするお母さんくらいしか観光客を見かけなかった。

 

当然、日本大使館前の少女像も。
座り込みもデモも禁止されていたので、モノとして細部を静かに見れたのは、かえって良かったのかもしれない。
聞いているだけでは分からないことは、とりあえず行って、その目で見るこだと思います。昨年の名古屋では見られなかったから。

 

閑散としていたなかで目立って見えたのが、老舗写真館のショウ・ウインドウ。やはり目が行っちゃうんですね。
政治家や著名人の御用達なのだろうが、このコラージュは印象的だった。それぞれの政治的な立場から、複雑な運命をたどった人々のコラージュ。韓国の政治史のある縮図でした。

 

土曜昼下がりの南大門市場もかなりガラガラ。どこの国でも零細企業者はしんどい時代です。頑張れって言っても、頑張りようがないものね。

 

ソウルは日本よりはるかにマスクの着用や知消毒液の使用が当たり前で、感染の広がりに気を遣っていた。ただ、この街のカップルはけっこうベタベタしている。「コロナ時代の愛」というフレーズが浮かんりした。

パゴダ公園というところのあたりに行くと、おじさんたちが屯していた。新世界あたりの雰囲気にも似ていたが、きっといつもより静かなのだろう。派手な格好をしたこの人は、ずいぶん有名らしい。「韓国の写真家なら、みんな撮ってますよ」と後で言われた。

 

そして3月8日の午後、日本への入国制限前日の金浦空港のロビーは空っぽ。見送りに来た家族がひと組、出国ゲートの前で手を振っていた。
この時期にどこに行くのかは知らないが、しばらくは帰れない。行く方も、見送る方もどんな気持ちだったのか。